NIPPONの47人 |2017 これからの暮らしかた −Off-Grid Life−

僕たちの未来は、どんな「暮らしかた」の集合体でできていくんだろう。47の点を繋いで、未来のカタチを想像する。

東日本大震災で福島第一原子力発電所がダメになったとき、「エネルギーと暮らし」は思っていた以上に隣り合わせにあること気がつきました。スーパーマーケットから食べものが無くなったり、電話が繋がらなかったり、仕事がストップしたり、普段は意識しない当たり前のインフラによって、自分たちの暮らしが成り立っていたことも認識しました。

建築でエネルギーを考えるとエコハウスにたどり着きますが、変わりゆく社会の中で、単に省エネルギーの問題ではなく、今までの価値観に縛られない様々な暮らしかたを創造していくときが来ていると感じました。
エコハウスに限って言えば、エネルギーが節約できるということもありますが、それ以上に体にも優しく快適です。「こうあるべきだ」ではなく、住まい手が快適で、豊かで、楽しんでいるということがとても大切なことであると考えます。
最初にD&DEPARTMENT代表のナガオカケンメイさんにこの企画をいただいたときは、こういった住宅を集めての展覧会でした。もう少し広く、エコハウスがあって、コミュニティーがあって、社会がある未来に向かって、どんな暮らしかたを私たちが目指したら良いかという展覧会にしたいと思いました。

自宅をバリバリに断熱改修をしたり、札幌に住まいながら働きかた自体新しく興味深い、暮らしかた冒険家の伊藤菜衣子さんと、ミュージシャンでありながら、『THE FUTURE TIMES』というフリーペーパーを使って音楽以外の様々な メッセージを発信しているASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんに加わっていただき、この展覧会を開催することとしました。
ここで取り上げたのは、住まい、食べもの、エネルギー、働きかた、流通などに関わるこれまでの常識にとらわれない多岐多様な暮らしかたに関する実践をされている方々です。始めたばかりの方もいますし、実績の多い方もいます。また、個人でされている方も会社をつくっている方もいます。こういう活動は方向性も大事ですが、それを現実の社会に落とし込む継続性も大事です。
単純な夢や物語を語るのではなく、人口減少、成熟した資本主義、民主主義の社会をしなやかに楽しみながら生きていく「暮らしかた」のビジョンをぜひ、見ていただけたらと思います。

そして、47の点と点をつないで、未来はどんなカタチになるか、どっちに向かうのか、想像して楽しんでいただけたら幸いです。
また、今回、発掘しきれなかった方が、たくさんいるはずです。自薦他薦は問いません。ぜひ 「#d47これからの暮らしかた展」でInstagramやTwitterに書いて教えてください。これからの僕たちの取り組みに繋げます。感想や口コミも、このハッシュタグでお待ちしております。

竹内昌義(建築家/東北芸術工科大学)

 

 

 

キュレーター

伊藤菜衣子 (暮らしかた冒険家)

広告制作を生業とする傍ら、暮らしにまつわる常識を再構築する冒険中。キャンプ場で1泊2日の総勢100名が参列したDIYな結婚式「結婚キャンプ」、築100年空き家期間17年の熊本市の廃墟をセルフリノベーションした「弊町家」、ギャランティの支払いに通貨以外の選択肢をつくる「物技交換」、などを試みる。「君たちの暮らしはアートだ」と坂本龍一ゲストディレクターに指名を受け、札幌国際芸術祭2014にて札幌に引っ越して暮らす「hey,sapporo」を発表。21_21DESIGN SIGHT企画展「雑貨展(展覧会ディレクション 深澤直人)」参加。2017年初監督作品映画「別れかた暮らしかた」を発表。編集と一部執筆を手がけた『あたらしい家づくりの教科書』など。

後藤正文 (ASIAN KUNG-FU GENERATION・『THE FUTURE TIMES』編集長)

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。これまでにキューンミュージック(ソニー)から8枚のオリジナル・アルバムを発表。2010年にはレーベル「only in dreams」を発足させ、webサイトも同時に開設。また、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』を編集長として発行するなど、 音楽はもちろんブログやTwitterでの社会とコミットした言動でも注目されている。ソロアルバムに『Can’t Be Forever Young』やプロデューサーに元Death Cab for CutieのChris Wallaを迎えバンド録音を行った2ndソロアルバム『Good New Times』を発表。また著書に『何度でもオールライトと歌え』(ミシマ社)『YOROZU〜妄想の民俗史〜』(ロッキング・オン)他 。

竹内昌義 (建築家・東北芸術工科大学)

1962年 神奈川県生まれ。1995年みかんぐみ共同設立。
現在、東北芸術工科大学教授。大学でプラスエネルギーハウスの山形エコハウスを設計。作品に山形エコハウス、House-M(2013年JIA環境建築賞最優秀賞)、House-Hなど。岩手県紫波町で57区画のエコタウンの監修。2017年エネルギーを少なくして、豊かなまちを作るために、エネルギーまちづくり社設立。著書に『未来の住宅/カーボンニュートラルハウスの教科書』『図解エコハウス』『原発と建築家』『日本のカタチ2050』『あたらしい家づくりの教科書』など。

出展者一覧

これまでの常識にとらわれない暮らしかたを実践する47人をご紹介します。

Coming soon

関連イベント

2017年8月3日(木)18:00〜19:30

展覧会オープニングトーク

キュレーター3名によるトークセッションを開催。今回の企画への想いや、展覧会の見どころ、それぞれの取り組みも紹介します。

参加費:3,000円(学生2,000円)
要予約

詳細・お申し込み

さらにキュレーターと出展者によるトークイベントを開催。
詳細は決まり次第こちらでお知らせします。お楽しみに!

 

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開催概要

NIPPONの47人 2017
これからの暮らしかた −Off-Grid Life−
2017年8月3日(木)~10月9日(月・祝)
入場無料
会場:d47 MUSEUM ※9/11, 12 は休館
時間:11:00〜20:00(入館は19:30まで)
主催:D&DEPARTMENT PROJECT
協賛:YKK AP株式会社
キュレーター:伊藤菜衣子(暮らしかた冒険家)、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION/『THE FUTURE TIMES』編集長)、竹内昌義(建築家/東北芸術工科大学)
お問い合わせ:03-6427-2301
日時:
2017-08-03〜2017-10-09

d47 MUSEUM

〒150-8510 東京都渋谷区 渋谷2丁目21-1 渋谷ヒカリエ8F